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《教会を知る Vol,5》教会から飛び出す気になるもの

西洋を旅していると私たちは必ず教会に出会う。そしてその外周を何気なく歩きながら高々と聳える姿を見上げたところ、取ってつけたような気になる物体を見つけるのである。日本では到底出会うことのないその存在は気になってしようがない。ましてや初めて訪…

『モナリザ』がルーヴル美術館にある理由

前回せっかく重い腰を上げレオナルド・ダ・ヴィンチに触れたので、もう一つ、彼を通して書いてみたいことがある。世界でも一番と言ってもいい有名絵画の『モナリザ』。イタリアで生まれ、イタリアで育ち、フィレンツェ、ミラノ、ローマで活動したダ・ヴィン…

私の苦手な芸術家、レオルド・ダ・ヴィンチ

大学生の頃一番面白いと楽しみにしていた授業が布施英利先生の『解剖学』だった。そして最近布施先生の新書が出るということで、早速本屋さんで手に入れたのが『ダ・ヴィンチ、501年目の旅』である。 正直な話、私はレオルド・ダ・ヴィンチがあまり得意では…

パリで行きたい凱旋門

パリに来て、『凱旋門へ!』というとシャルル・ド・ゴール広場のそれが真っ先に思い浮かぶのではないか。まさにパリのシンボルのような存在感で、まっすぐ伸びるシャンゼリゼ通りのその先に堂々と聳える凱旋門。巨大な門から放射状に伸びる何本もの通りや、…

映画『ディリリとパリの時間旅行』ー目も想いもパリに浸るー

休みの取れなかったこの夏に、『ディリリとパリの時間旅行』というタイトルの映画は私には十分すぎるほどに魅力的だった。特に以前『19世紀パリ時間旅行』という展示に行き逃し、泣く泣く図録だけを購入しひたすらに後悔した想いがあったらか、『パリの時間…

2019年4月15日にノートルダム大聖堂で

今朝は妹からの「ノートルダムが燃えている」という連絡で目を覚ました。最悪に衝撃的な事実に、悪夢が続いているだけであって欲しいと思った。ただそれはまぎれもなく本当の出来事だった。現地からあげられる映像や画像がより悲痛な想いを含んで、こんな遠…

アトリエ・ブランクーシという作品

ブランクーシを初めて気に留めて観たのは大学に入ってすぐの時だった。大学内にある美術館の舞台裏、所蔵作品の中であまりににもシンプルな金色のつるんとした塊が光り輝いていた。なんでもないのに異様な存在感を放つこれはなんだろうとその時は心に引っか…

平面と空間を行き来する -サヴォア邸の不思議-

パリに何度も行きたくなる理由の1つ、イル・ド・フランス。市内から少し出かけたあたり、パリの周りはまた見るべきものに囲まれている。その中に、車や電車で20分くらいのところ、ル・コルビュジエの名作サヴォア邸がある。日本でも上野にある西洋美術館本…

変わらないことへの憧れ

戦後初めてヨロッパ取材を実現した写真家、木村伊兵衛の写真展『パリ残像』になんとか駆け込みで行くことができた。 1954年から55年に撮られたそのパリは、まるでこの間のように今も見られる姿と変わらず映る。強いて言えば、ライカとカラーフィルムが作り出…

シャルトルブルーよりも美しいこと

シャルトルブルーが美しい暗がりの中で浮かび上がる、そんな神秘的なステンドグラス。ただのブルーではなく、長い時間をかけて空気中の微生物を身に纏いながら深みを増していった、誰もが見惚れるシャルトルブルー。ロダンをも魅了し幾度も通わせた大聖堂だ…

間違いのないパリのバゲット

パリ、モンマルトルの丘を下ったところABBESSES(アベス)駅の近くにあるPAIN PAIN。2012年にパリの最優秀バゲット賞を取り、一年間大統領官邸にも納めていた職人が2015年に新しく開いたお店。パリでパンを食べるときにはぜひおすすめしたい場所である。 鮮や…

長老時計が眺め続けたパリの姿

シテ島の入り口、橋を渡りきったところに輝く大きな時計。何者かわからずとも、その存在感に多くの観光客がカメラを向けるのを見かける。特にこのあたりは隣にサント・シャペル、もう少し歩くとノートルダム大聖堂、土日には花や小鳥のマーケットで賑わう観…

黒くされたカラス

現代の日本では嫌われ者のカラスだが、そんなカラスにも綺麗な逸話がいくつか存在する。 都会の中とは違った綺麗な鳥に見える 一番有名なのはノアの箱舟に登場する鴉だと思う。ノアの大洪水の際、まず最初に放たれたのが鴉であり、吉凶を占うための鳥として…

パリの香水博物館、早すぎる閉館

先日、パリの香水博物館、ル・グラン・ミュゼ・デュ・パルファン(Le Grand Musee du Parfum)の突然の閉館の知らせに驚いた。たった5年の間だったのが本当になくなるのを残念に思う、綺麗な展示をしていた。 特にミュージアム好きとしては、いろいろのな人…

ピカソが用意した『洗濯船』での素敵な夕べ

パリ、モンマルトルにある洗濯船。そこはかつてピカソもアトリエとして使っていた芸術家たちの溜まり場で、美術史では大変重要な場所なのだが、今は火事が原因で現存はしていなく、当時の記録がほんの少し飾ってあるだけである。ガイドブックやいろいろな本…

パリのオペラ座のシャガールに隠された絵画

シャガールの最大傑作の1つ、『パリ オペラ座天井画』パリに訪れたのなら必ず見るべきとおすすめしたい。写真では感じきれない壮大で豪華で艶やかなシャガールの世界が、天井から降り注いでくる。私自身とりわけシャガール好きではないが、彼の世界に飲み込…

アーモンドの花と桜 - ピエール・ボナール展を観て

現在、新国立美術館で開催されているピエール・ボナール展にボナール最晩年の作品、『花咲くアーモンドの木』が来日している。ボナールといえば、“日本かぶれのナビ”とあだ名されるほどの日本好きである。その彼が最後に描いたのが桜にそっくりな白い花が咲…

パリのアパートPALAIS BRONGNIARDに滞在

少し長く滞在するときは宿泊費も食費にとっても、アパートはとても効率的。前回はパリのアパートに1週間の宿泊。日本人が経営しているため、アパート初心者でも安心して泊まれる場所で、待ち合わせもゴミのルールも鍵の使い方も何の不安もなし。 PALAIS BRON…

飾らないピカソ〜Musee Picasso Pari

待ち望んでいたパリのピカソ美術館の再オープン。 意気込んで予定したパリの訪問だったが、オープン予定日を過ぎてもまだ工事中で落胆したのが5年前。 昨年ようやく再び挑戦する機会がおとずれたので、 今度こそたどり着けることを願い、みんなの失敗談を参…