聖書

《教会を知る Vol,5》教会から飛び出す気になるもの

西洋を旅していると私たちは必ず教会に出会う。そしてその外周を何気なく歩きながら高々と聳える姿を見上げたところ、取ってつけたような気になる物体を見つけるのである。日本では到底出会うことのないその存在は気になってしようがない。ましてや初めて訪…

《教会を知る Vol,4》ラピスラズリの星空

教会の天井に輝く真っ青な星空を見た事はあるだろうか。見上げたその瞬間、その美しさに動けなくなるような、心洗われるあの感動は、時間が経っても色褪せず、目を瞑るだけでも蘇る。本当になんて美しいのだろう。。確かに真っ暗な中で見上げた夜空とそこに…

《教会を知る Vol,3》教会の管理人

教会を訪れるとその外壁にも内側の空間にも、見渡すほどに人の姿を掘ったり描いたりした図像に出くわす。それが誰なのかと一人一人理解していくのは到底難しい話であるが、その中でも1番にわかりやすいのはキリストと聖母マリアだと思う。大抵は中央に描かれ…

《教会を知る Vol,2》 2種類のキリスト磔

美術館でも、本の中でもそうだが、キリストが十字架にはりつけられているにもかかわらず、目をバッチリと開いている姿に出会うと私は少し不気味に感じる。それが薄暗い教会の中であれば、出会った瞬間ギョッとしてつい目をそらしてしまうだろうと思う。それ…

クリスマスとは何の日か

ハロウィンも終わると本格的にクリスマスの雰囲気で街中が彩られてきた。日本人は一年中何かしらのイベントを楽しみにする幸せ体質だと思うのだが、中でもクリスマスはより特別なものらしい。 クリスマスをなぜクリスチャンでもない日本人が祝うのか。という…

黒くされたカラス

現代の日本では嫌われ者のカラスだが、そんなカラスにも綺麗な逸話がいくつか存在する。 都会の中とは違った綺麗な鳥に見える 一番有名なのはノアの箱舟に登場する鴉だと思う。ノアの大洪水の際、まず最初に放たれたのが鴉であり、吉凶を占うための鳥として…

《教会を知る Vol,1》数字を見つける

教会を読み解くためには、造られた年代や様式など詳しく知識を学ぶのが一番だが、専門家になるわけでもないし、奥も深く難しい。なので旅先でふと思い出せるくらいの、ちょっとした知識をこれから少しづつ記録していきたいと思う。 最初はキリスト教で重要と…

ヴェネツィアのサンタルチアに会いに

ヴェネツィアの玄関口、唯一の列車の発着口である駅にはサンタルチアという名前がついている。本来であれば南イタリアの聖人であるサンタルチア。なぜ彼女の名前がここヴェネツィア地で使われているのか。 結論は単純で、戦いの戦利品として奪い持ってきた彼…

未完のミケランジェロと完成のミケランジェロ

ミケランジェロは本当に天才なのか。彼は未完の作品が多い。それは未完であるが故の素晴らしさなのかもしれない。思考を巡らす隙があれば人の心は動きやすく、その余韻を必要以上に楽しむことができる。 ミラノにあるロンダニーニのピエタはそんな隙をつくよ…

魚の暗号

教会を歩いていて、いたるところに魚があしらわれてるのが気になったのは Le Collegiale notre-Dameが初めてだったと思う。 元々のロマネスク様式の静かな造りがより、具象的な形を際立たせるのかもしれない。 魚といえば古くはイエス・キリストの象徴で暗号…

誇り高き有翼の獅子

ヴェネツィアには翼の生えたライオンがたくさんいる。ヴァポレットを降りて、サンマルコ広場を少し歩いただけで。。。 ここにも ここにも 聖書を記した福音書記者、聖マルコを表すもので、 キリスト教迫害の際に暗号的に表されたのをきっかけに、聖マルコ=…