Venice

《教会を知る Vol,5》教会から飛び出す気になるもの

西洋を旅していると私たちは必ず教会に出会う。そしてその外周を何気なく歩きながら高々と聳える姿を見上げたところ、取ってつけたような気になる物体を見つけるのである。日本では到底出会うことのないその存在は気になってしようがない。ましてや初めて訪…

今、旅ができないからこそ

恥ずかしながら今になって初めて、私は歴史小説の偉大さに気がついた。 小説は昔から好きである。特にミステリーなんかは読み始めたらどうやって止めたらいいかわからず、他のことが手につかなくなり、気がつけば読み終わるまでそれしかできなくなる時もあっ…

多すぎたヴェネツィアのゴンドラ

ヴェネツィアを好きになりすぎた理由の1つに、車がいないという感動の体験がある。そして改めて気がついたのだが、車が存在しない空間というのはその時が初体験であった。もちろん車もほとんど通ることのない静かな場所や、細すぎて侵入できないような歩道…

偶然のお土産

旅の最中にある必然の出会いの中に、ふと、偶然の出会いが紛れ込むことがある。今年の春に起こったそれは、ヒエロニムス・ボスの祭壇画との対面であった。 ヴェネツィアのアカデミア美術館。そこにあったのが『聖女の殉教』という三連祭壇画である。 『聖女…

奇跡に出会う旅 -ヴェネツィアで-

人間、『奇跡』という言葉にはつい惹かれてしまうのではないかと思う。長く歴史に残るそれであれば、私にとっては更に魅力的に輝く。ヴェネツィアに向かう前、手にした本の中に書かれていたガラスの奇跡は、そんな私を簡単に魅了した。 ムラーノ島 ヴェネツ…

ペギー・グッゲンハイムという女性

美術コレクターのコレクション美術館の中でも、ヴェネツィアのペギー・グッゲンハイム・コレクションは妙に感情的で人間味の溢れる空間だと感じたのを覚えている。もちろん邸宅をそのまま美術館として開いているのだから、その雰囲気も手伝っていると思う。…

ヴェネツィアのサンタルチアに会いに

ヴェネツィアの玄関口、唯一の列車の発着口である駅にはサンタルチアという名前がついている。本来であれば南イタリアの聖人であるサンタルチア。なぜ彼女の名前がここヴェネツィア地で使われているのか。 結論は単純で、戦いの戦利品として奪い持ってきた彼…

誇り高き有翼の獅子

ヴェネツィアには翼の生えたライオンがたくさんいる。ヴァポレットを降りて、サンマルコ広場を少し歩いただけで。。。 ここにも ここにも 聖書を記した福音書記者、聖マルコを表すもので、 キリスト教迫害の際に暗号的に表されたのをきっかけに、聖マルコ=…