2019-01-01から1年間の記事一覧

多すぎたヴェネツィアのゴンドラ

ヴェネツィアを好きになりすぎた理由の1つに、車がいないという感動の体験がある。そして改めて気がついたのだが、車が存在しない空間というのはその時が初体験であった。もちろん車もほとんど通ることのない静かな場所や、細すぎて侵入できないような歩道…

映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』-幸せを見つける天才-

この映画を見て、今まで私はずっと勘違いをしていたのだと気がついた。 本来ゴッホは最高に幸せな人だったのではないか。彼の制作が波に乗り100枚を超える油彩を生み出した最後の2年間は特にだ。少なくとも週に一度は、描きたくてどうしようもなくなるような…

展覧会『マルク・シャガール — 夢を綴る』-美術館の普通を見る-

とても良い展覧会を観た。と言いながら11月4日までで終了間近なのだから、オススメする者としては最悪であるが。。。日本の美術館でも扱うところの多いシャガールの絵画や版画や印刷物。今回観たのは、銀座のポーラミュージアムアネックスで行われている、ポ…

《教会を知る Vol,4》ラピスラズリの星空

教会の天井に輝く真っ青な星空を見た事はあるだろうか。見上げたその瞬間、その美しさに動けなくなるような、心洗われるあの感動は、時間が経っても色褪せず、目を瞑るだけでも蘇る。本当になんて美しいのだろう。。確かに真っ暗な中で見上げた夜空とそこに…

パリで行きたい凱旋門

パリに来て、『凱旋門へ!』というとシャルル・ド・ゴール広場のそれが真っ先に思い浮かぶのではないか。まさにパリのシンボルのような存在感で、まっすぐ伸びるシャンゼリゼ通りのその先に堂々と聳える凱旋門。巨大な門から放射状に伸びる何本もの通りや、…

映画『ディリリとパリの時間旅行』ー目も想いもパリに浸るー

休みの取れなかったこの夏に、『ディリリとパリの時間旅行』というタイトルの映画は私には十分すぎるほどに魅力的だった。特に以前『19世紀パリ時間旅行』という展示に行き逃し、泣く泣く図録だけを購入しひたすらに後悔した想いがあったらか、『パリの時間…

「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」

以前書いたコルビジェ について、また2月に始まる展覧会の時にまた書きたい。と締めていたので、改めて書いてみたいと思う。 現在上野にある西洋美術館で行われている「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」表題の通りピュリスムを軸に構成さ…

2019年4月15日にノートルダム大聖堂で

今朝は妹からの「ノートルダムが燃えている」という連絡で目を覚ました。最悪に衝撃的な事実に、悪夢が続いているだけであって欲しいと思った。ただそれはまぎれもなく本当の出来事だった。現地からあげられる映像や画像がより悲痛な想いを含んで、こんな遠…

ビショーネという宝探し

人が蛇のような生き物に今にも飲み込まれようとしているそんな瞬間を描いたマーク。言葉にするとなんだか恐ろしいが、きっと多くの人があの有名な車のメーカー『アルファロメオ』のエンブレムとして目にしたことがあるだろう。 このマーク、実はイタリア、ミ…

《教会を知る Vol,3》教会の管理人

教会を訪れるとその外壁にも内側の空間にも、見渡すほどに人の姿を掘ったり描いたりした図像に出くわす。それが誰なのかと一人一人理解していくのは到底難しい話であるが、その中でも1番にわかりやすいのはキリストと聖母マリアだと思う。大抵は中央に描かれ…

アトリエ・ブランクーシという作品

ブランクーシを初めて気に留めて観たのは大学に入ってすぐの時だった。大学内にある美術館の舞台裏、所蔵作品の中であまりににもシンプルな金色のつるんとした塊が光り輝いていた。なんでもないのに異様な存在感を放つこれはなんだろうとその時は心に引っか…

年の始まりに

毎年の年賀状には干支を入れるというのが自分のルールなのだが、今年はなかなかに悩んでしまった。中国から来ている干支の文化だが、特に中国本来の意味の中で表現しようということでもない。ただ何かしらの意味のある願いが込められたらと思って贈るように…