おすすめの場所

多すぎたヴェネツィアのゴンドラ

ヴェネツィアを好きになりすぎた理由の1つに、車がいないという感動の体験がある。そして改めて気がついたのだが、車が存在しない空間というのはその時が初体験であった。もちろん車もほとんど通ることのない静かな場所や、細すぎて侵入できないような歩道…

展覧会『マルク・シャガール — 夢を綴る』-美術館の普通を見る-

とても良い展覧会を観た。と言いながら11月4日までで終了間近なのだから、オススメする者としては最悪であるが。。。日本の美術館でも扱うところの多いシャガールの絵画や版画や印刷物。今回観たのは、銀座のポーラミュージアムアネックスで行われている、ポ…

《教会を知る Vol,4》ラピスラズリの星空

教会の天井に輝く真っ青な星空を見た事はあるだろうか。見上げたその瞬間、その美しさに動けなくなるような、心洗われるあの感動は、時間が経っても色褪せず、目を瞑るだけでも蘇る。本当になんて美しいのだろう。。確かに真っ暗な中で見上げた夜空とそこに…

パリで行きたい凱旋門

パリに来て、『凱旋門へ!』というとシャルル・ド・ゴール広場のそれが真っ先に思い浮かぶのではないか。まさにパリのシンボルのような存在感で、まっすぐ伸びるシャンゼリゼ通りのその先に堂々と聳える凱旋門。巨大な門から放射状に伸びる何本もの通りや、…

アトリエ・ブランクーシという作品

ブランクーシを初めて気に留めて観たのは大学に入ってすぐの時だった。大学内にある美術館の舞台裏、所蔵作品の中であまりににもシンプルな金色のつるんとした塊が光り輝いていた。なんでもないのに異様な存在感を放つこれはなんだろうとその時は心に引っか…

平面と空間を行き来する -サヴォア邸の不思議-

パリに何度も行きたくなる理由の1つ、イル・ド・フランス。市内から少し出かけたあたり、パリの周りはまた見るべきものに囲まれている。その中に、車や電車で20分くらいのところ、ル・コルビュジエの名作サヴォア邸がある。日本でも上野にある西洋美術館本…

「駒井哲郎―煌めく紙上の宇宙」

日本での銅版画の位置付けは決して高いとは言えない。作品としての値段で言えば、複製が可能な版画はもちろん世界中で低くはなるが、日本でのその歴史は比べ物にならないほど近年に入ってから確立されてきた。と言いつつも、その後すぐにプリンティングの技…

「アルヴァ・アアルト――もうひとつの自然」

『アルヴァ・アアルトーー もうひとつの自然』が現在、神奈川県立近代美術館葉山で行われている。 アルヴァ・アアルトはフィンランド出身の建築家であり、家具ブランド『アルテック』の設立者でもある。日本ではその椅子やシェルフ、花瓶などでよく知られて…

奇跡に出会う旅 -ヴェネツィアで-

人間、『奇跡』という言葉にはつい惹かれてしまうのではないかと思う。長く歴史に残るそれであれば、私にとっては更に魅力的に輝く。ヴェネツィアに向かう前、手にした本の中に書かれていたガラスの奇跡は、そんな私を簡単に魅了した。 ムラーノ島 ヴェネツ…

ペギー・グッゲンハイムという女性

美術コレクターのコレクション美術館の中でも、ヴェネツィアのペギー・グッゲンハイム・コレクションは妙に感情的で人間味の溢れる空間だと感じたのを覚えている。もちろん邸宅をそのまま美術館として開いているのだから、その雰囲気も手伝っていると思う。…

間違いのないパリのバゲット

パリ、モンマルトルの丘を下ったところABBESSES(アベス)駅の近くにあるPAIN PAIN。2012年にパリの最優秀バゲット賞を取り、一年間大統領官邸にも納めていた職人が2015年に新しく開いたお店。パリでパンを食べるときにはぜひおすすめしたい場所である。 鮮や…

長老時計が眺め続けたパリの姿

シテ島の入り口、橋を渡りきったところに輝く大きな時計。何者かわからずとも、その存在感に多くの観光客がカメラを向けるのを見かける。特にこのあたりは隣にサント・シャペル、もう少し歩くとノートルダム大聖堂、土日には花や小鳥のマーケットで賑わう観…

ヴェネツィアのサンタルチアに会いに

ヴェネツィアの玄関口、唯一の列車の発着口である駅にはサンタルチアという名前がついている。本来であれば南イタリアの聖人であるサンタルチア。なぜ彼女の名前がここヴェネツィア地で使われているのか。 結論は単純で、戦いの戦利品として奪い持ってきた彼…