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アトリエ・ブランクーシという作品

ブランクーシを初めて気に留めて観たのは大学に入ってすぐの時だった。大学内にある美術館の舞台裏、所蔵作品の中であまりににもシンプルな金色のつるんとした塊が光り輝いていた。なんでもないのに異様な存在感を放つこれはなんだろうとその時は心に引っか…

偶然のお土産

旅の最中にある必然の出会いの中に、ふと、偶然の出会いが紛れ込むことがある。今年の春に起こったそれは、ヒエロニムス・ボスの祭壇画との対面であった。 ヴェネツィアのアカデミア美術館。そこにあったのが『聖女の殉教』という三連祭壇画である。 『聖女…

ペギー・グッゲンハイムという女性

美術コレクターのコレクション美術館の中でも、ヴェネツィアのペギー・グッゲンハイム・コレクションは妙に感情的で人間味の溢れる空間だと感じたのを覚えている。もちろん邸宅をそのまま美術館として開いているのだから、その雰囲気も手伝っていると思う。…

パリの香水博物館、早すぎる閉館

先日、パリの香水博物館、ル・グラン・ミュゼ・デュ・パルファン(Le Grand Musee du Parfum)の突然の閉館の知らせに驚いた。たった5年の間だったのが本当になくなるのを残念に思う、綺麗な展示をしていた。 特にミュージアム好きとしては、いろいろのな人…

アーモンドの花と桜 - ピエール・ボナール展を観て

現在、新国立美術館で開催されているピエール・ボナール展にボナール最晩年の作品、『花咲くアーモンドの木』が来日している。ボナールといえば、“日本かぶれのナビ”とあだ名されるほどの日本好きである。その彼が最後に描いたのが桜にそっくりな白い花が咲…

飾らないピカソ〜Musee Picasso Pari

待ち望んでいたパリのピカソ美術館の再オープン。 意気込んで予定したパリの訪問だったが、オープン予定日を過ぎてもまだ工事中で落胆したのが5年前。 昨年ようやく再び挑戦する機会がおとずれたので、 今度こそたどり着けることを願い、みんなの失敗談を参…