ペギー・グッゲンハイムという女性

美術コレクターのコレクション美術館の中でも、ヴェネツィアペギー・グッゲンハイム・コレクションは妙に感情的で人間味の溢れる空間だと感じたのを覚えている。
もちろん邸宅をそのまま美術館として開いているのだから、その雰囲気も手伝っていると思う。
ただそれだけではない、なにか引っかかるものがあった。
少し自慢げで、ちょっとしたいたずら心も持ち合わせた、女性らしい美術館。

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その印象に先日『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』という映画を観に行きやっと納得ができた。
インタビューを元に、ペギー・グッゲンハイムという女性の人生を追っていくような内容だったのだが、彼女は想像以上に魅力的で破天荒な女性だった。
彼女の人生最後のインタビューの肉声が新たに発見されたことから話は始まっていき、その話すこと、今まで話してきたこと、辿ってきた道、すべてが衝撃的であった。

私は正直彼女の美術館を訪れた時はまだペギー・グッゲンハイムについてよく知っていなかった。彼女の自伝も読んではおらず、今すごく後悔している。
せめてもう少し彼女のことをわかっていたら、あの美術館にさらに魅了されていたに違いない。映画を観て今すぐにでもヴェネツィアに向かいたいと嘆いた。

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実は彼女も異国出身の人間である。
ニューヨークに生まれ、パリへと移り、ロンドンを経てまたニューヨークへと戻る。その後またヨーロッパへと移り住み、ヴェネツィアでこの邸宅を構えた。
そして彼女は誰もが憧れるそのヴェネツィアで、名誉市民まで授与されたのだから本当に驚きであり、羨ましい。

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現在ヴェネツィア現代アートの発信地としての顔も持つ。
それはペギー・グッゲンハイムの偉業の一つでもある。
彼女の人生はまるでそれこそ映画のような辛いことの連続でもあった。
その悲しみを少しと大きな成功を詰め込んだペギー・グッゲンハイム・コレクションは彼女が亡くなった今も、ヴェネツィアに新しいアートの嵐を巻き起こし続けている。
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 ペギー・グッゲンハイム・コレクション
開館時間:10:00-18:00 
定休日:火曜日

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