未完のミケランジェロと完成のミケランジェロ

ミケランジェロは本当に天才なのか。
彼は未完の作品が多い。それは未完であるが故の素晴らしさなのかもしれない。
思考を巡らす隙があれば人の心は動きやすく、その余韻を必要以上に楽しむことができる。

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ミラノにあるロンダニーニのピエタはそんな隙をつくように感動を与える。
知識を入れずに見たならば、これは一体なんなのか?作品なのだろうか?と思うほど未完成にも見える。
ただ、その大理石の塊はあまりにも美しいのだ。

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ピエタだということはわかるのだが、未完なせいでその先には疑問も多い。(未完かどうかすら不明である)
マリアがキリストを支えているのか、それとも逆なのか。
キリストが支えているというのは基本的にはあり得ない。亡くなったそのシーンなのだから。
ただこの荒けづりの余韻は人に深読みをさせるし、答えのない討論は人々を魅了する。
現に私もキリストがマリアを支える、そんな奇跡的で奥深い意味があることを期待してしまった。 

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ミケランジェロには完成した傑作ももちろん存在する。
サン・ピエトロ大聖堂ピエタはまさにその代表である。
私はまだそのピエタに出会えていない。
あの未完のピエタの感動を忘れぬうちに、どちらのミケランジェロにより魅了させられているのかぜひ見に行きたいと思う。

因みに、ミラノのスフォルツェスコ城で見られるロンダニーニのピエタだが、出会う前に罠がある。
道順通り進んでいくと部屋の奥に真っ白に輝くピエタが突如として現れる。
これがあの有名な〜と感心しているとキャプションには3Dとの表記が。。
実物はそれだけのために用意された別の建物にあるのだが、それを見ながら3D再現のピエタに無駄に感動してしまったことに嘆く人たちの会話もなかなか面白い。

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スフォルツェスコ城はピエタで有名だが、他の展示もとても良い

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スフォルツェスコ城
Sito Ufficiale Castello Sforzesco
Piazza Castello, 20121 Milano MI, イタリア
開館:火曜ー日曜 9時=17時30分 (入場は17時まで)
入場券:full 5€ (購入は16時30分まで)

 

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