《地図の旅:ROMA》オベリスク編 -Vol,1 オベリスクとはなんなのか-

当分の間旅に出ることは難しいだろう。
少し前まではお金がスケージュールがと悩んでいたが、そんな悩みは贅沢すぎたのだ。
コロナウィルスが世界中で流行する今、努力したところでどうやっても旅には出ることができない。

そこで、今できることを。
将来訪れる目的地の予習を含め、様々なフィルターで地図を作り、そこからその地を学ぶプロジェクト《地図の旅》を始めたいと思う。

どんな記事にしたいか説明を続けるより、書いてみるほうがきっと早い。
まずは本当であればこの3月に巡るはずであり、終息後一番に向かおうと思っているローマから始めることにする。
ではここから、地図の旅に出よう。

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オベリスク」を知っているだろうか。
この細長い石の柱のことなのだが。

私は今までこのオベリスクというものをあまり気にしたことがなかった。
言われてみればパリにもあったし、ロンドンの大英博物館でも出会っているはずなのに写真が一枚も見つからないのだから相当気にとまっていない。今となっては過去の自分を恨みたいとこだが、勉強不足だったのだから諦めるしかない。

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パンテオン前のオベリスク(現地で撮影できていないためWaldo MiguezによるPixabayからの画像 )

ローマの街には現在この「オベリスク」という石碑が13本設置されている。バチカン含)
他の街よりもはるかに多く、それが街の中(博物館や美術館ではなく)にあるということを見れば、それはローマという街の大きな特徴といっても良いだろう。


オベリスクというのは本来、古代エジプト人が太陽神に捧げるために作ったモニュメントであり、一枚岩から切り出したそれは、主に神殿や宮殿で対になって建てられていた。いわばピラミッドの簡略版みたいなものであった。

だがその本来のあるべき場所や意味とどう結びつくのか、現在は13本もの「オベリスク」たちがローマに建てられている。それは何故なのか。
それを知るためにローマの街を俯瞰で眺めながらその理由を探りたいと思う。

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最初にオベリスクの位置や名前と一緒に知っておくといいことが一つある。
それがこの地図に色の違いで表した、本物か偽物かである。
そうなのだ。ローマにはまさかの偽物のオベリスクが存在するのだ。
オベリスクに刻まれた碑文が古代エジプト文字のヒエログリフで書かれているからと言って騙されてはいけない。

がエジプトで作られた本物(オリジナル)
がローマで作られた偽物(模造品)
※半々のものは上部が本物、下部が偽物

地図で見ると、人気の観光地であるスペイン広場やナヴォナ広場のものが模造品であるのは意外である。
間違えてもスペイン広場ではしゃぐ大勢の観光客の目の前で、「あれはエジプトから持ってきたオベリスクというものだよ」とは自慢げに説明してはいけないのだ。

ただ模造品だからといって歴史がないわけでも、鑑賞する価値がないというわけでもない。
それぞれの時代にちゃんとした必要性を持って作られ建てられたのだからローマを知るためには大事な鍵ともなる。

では本物も偽物も含め、それらはなんのために、そしてどうやって今の場所に建つようになったのか。
それを知るためにも、一つずつつらつらと書いていきたいところだが、長くなりそうな上にまとめきれなそうなので、次回からゆっくり地図も使いながら深掘りしていこうと思う。

それぞれのオベリスクにそれぞれあるストーリーはなかなか個性的で面白い。
経緯を知ることできっと誰もがそれぞれにお気に入りのオベリスクに出会える。

そんな予感に期待して。また次回。